【訃報】「一億総フリーター時代」((c)Poorie Whitemore)提唱者、永野健旧日経連会長ご逝去

過激にして画期的な報告書「新時代の『日本的経営』」を作成、発表した当時の旧日経連会長、永野健氏がお亡くなりになり、２８日、民主党の小沢一郎代表ら政財界の重鎮が集う中、お別れの会が開かれました。

永野氏は日本企業の高コスト構造を是正すべく力を注がれた方で、前出の画期的報告書の他、「ベアゼロ論」を主張するなどなされました。
９５年に発表された「新時代の『日本的経営』」は「管理職・総合職・技能部門の基幹職」以外を全て「昇給なし、退職金・年金なし」の有期雇用契約とすべしという大胆な内容で、その後、我が国の企業はおおむね、その路線で進み出しました。
提言の内容は半分も実現されておりませんが、それでも結果はご覧の通り、戦後最長の大景気に湧く日本の実現へと至りました。永野日経連が我が国に果たした役割たるや絶大なものがあることは、いかなる立場に立つ者からしても認めざるを得ないでしょう。（関連する拙文：http://d.hatena.ne.jp/poorie/20080629/1214725747）
マクロ経済学的に見れば、永野氏の働きは誠に的確だったと言えると思います。
（ただ、私ども多くの国民は、底なし沼のような世界で生きることを余儀なくされてしまったこともまた事実ですが。）

永野健旧日経連会長のご冥福をお祈り申し上げます。