It's Only チラシの裏 ~but I like it

つれづれなるままに書いてます。一番読まれないタイプのブログです。

Can't you see this old boy has been lonely

ハケンの「専門職限定」について(つづき)

いやー、昼間は失礼いたしました。続きを参ります。




今、民主党を中心とする連立政権へと政権が交代し、ハケン労働への風当たりが強くなっております。しかし、原則禁止に、と訴えられているのは「製造業派遣」で、特に世間で「日雇い派遣」と言われる「登録型」が批判の対象となっています。しかし、いちいちくっつくのは、「専門職は除き」の一文なんですよね。
これはそもそも派遣労働というものが専門職に限って許されたものだから、という理屈なわけですが、この「専門職」、かなり怪しいシロモノです。


私はかつて、某大手都市銀行兜町支店で働いていました。職種は「証券翻訳」です。
なんか、スゴそうでしょう?(^^;
でも、これが全然スゴくなかったんです。(笑)


派遣初日、まず任された仕事、それは重〜い段ボール箱を運ぶ業務でした。
1箱で十分に重いというのに、「おら!まだまだ行けるぅー!」とか言って正社員さまたちが2個、3個と上に積んで来るんです。それでエレベータに乗せられ降りて行くのですが、エレベータ内でGがかかると段ボールの重さが倍増する……。(;_;)


なお、この業務は男子のみに与えられたもので、この間、女子たちは茶と茶菓子とを出してもらって、我々の汗まみれになって行く姿をのんきに眺めてました。
これにも時給は付くので、まさに「これでギャラ同じ(泣)」って心境でしたね……。
男女平等の威力を思い知った瞬間でしたが、問題は、男女いずれにしても、ちっとも専門職である「証券翻訳」などやってないっていうことです。
男子は引っ越し屋業務、女子は、なんか休憩タイム?(笑)


で、いつ我々は「専門職」をやらせてもらえるのかな?と思っていたところ、ついにありませんでしたよ。(爆)


主に我々ハケンがやった業務というのは、株主総会に向けて海外投資家から議決事項の賛否を聞き取る仕事でした。
賛成なら"in favor"、反対なら"against"、「どちらでもない」は"default"。この3語を確認すれば良いのです。
そしてその結果を表に集計し、まとめて行く、というのがおおよその業務でした。
その合間には、やっぱし男子には重たい荷物運び、それから男女を問わず銀行事務一般が挟まりました。
どっこも「証券翻訳」なんかじゃなかったんです。


そういえば、派遣会社で採用試験受けた際、テストの内容が、まずとにかく算数で、分数、小数、それからやたらと桁数の多い数の加減乗除を暗算で多数解きまくるものでした。それに漢字テスト。
英語はおまけ程度に、ごく簡単な長文問題が付いてました。
それを見て一人のオッチャンが突然怒り出し、


「私は英語のプロで翻訳家で、証券翻訳の求人というから今日来たんだ!」


と叫んで、文字通りイスを蹴り倒して出て行っちゃいましたが、私もあのテストを見て「臭う」と思わねばいけませんでしたね。
あれは明らかに、「一般銀行事務」の適性検査でした。


とまぁ、こんな具合で、上の記事にリンク貼らせていただいたブログさんご指摘の通り、「専門職」と言っても実際には「名ばかり」という現実があるのです。ハケンを専門職限定にしていただいても、求人の募集職種を専門職っぽく書けば済む話なのです。


私は当時、仕事があれば何だって有難い状況でしたし、今ほど雇用問題について意識していませんでしたから、あまり問題だとは思いませんでしたけど、この「ザル」状態を放置したまんま「派遣労働を元の専門職限定に戻せ!」と頑張っても、あまり意味はないのです。


「専門職限定」とする理由は「正社員の職域を浸食しないため」ってことですが、我々が任された銀行での業務は、「昨年まで正社員が全部行っていたもの」って担当の正社員氏が明言されてましたよ。それを「諸般の事情から」全てハケンに任せてみよう、という試みだとのことでした。
思いっきし「正社員の職域を浸食」しちゃっていますよねぇ?


上の記事で言及のブログさん、コメント欄が見あたらなかったため、ここにいきなり無断でご紹介しましたが、大変有意義なご指摘と思いました。
ただ、
この方もやはり、従軍慰安婦の問題などで活動されている左派の方で、辻本清美議員の同志とのことです。ですので誠に無念ながら、私はお友達にはなれなそうですね。


どうして雇用問題でナイスなご発言をされる方々は皆さん左翼で、一方右寄りの方々は大企業びいきをするのか?(そして雇用問題に取り組んでいる輩を「非国民」扱いする。)
そろそろこの図式も"CHANGE"すべきでは?と思いますけどねぇ。