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左と右のクエスチョン?(4):「右翼」についてさらに考察

よっぽどのお友だちを除いては、だ〜れも読んでいるフシのない当連載記事ですが(笑)、逆にこれ幸いと続きを書きます。


前回の記事で私は、現代の我が国における「右翼」とは何じゃろか?と疑問を呈しました。
今回は別の右翼雑誌『WiLL』(2009年3月号)から長谷川慶太郎氏による「『「派遣切り」叩き』叩き」論文を一次資料として、さらに「右翼」の考察を深めたいと思います。


長谷川氏の論文「派遣切りは悪なのか」によりますと、「派遣切り」を非難する輩が跋扈(ばっこ)する「最大の要因」は「自由経済のメカニズムを理解できていないこと」だそうで、曰く「自由経済は景気の変動と切っても切れない関係」にある。「『派遣切り』は(そうした)景気変動に伴う企業の対応策の根幹」であり、「企業経営者が何よりも先んじて講じなければならない課題」とのことです。


「早め早めに『派遣切り』を選択することが最善であるといえます。」


で、やはり、例の論調が登場します:


「この派遣切りによって、日本企業は国内での生産拠点を確保し続けることができるのです。」


これはワークシェアリングやっても駄目だそうで、


「『ワークシェアリング』発祥の地であるオランダを例に取れば、かつて世界の家電市場で覇を唱えたフィリップスは、オランダから退出しました。」


やっぱり「労働者の保護なんて言ったら、速攻、企業は日本から出るぞ!?」の論調なんですねぇ……。


ただ、長谷川氏の論文を拝読して、我が国の「右翼」について少しだけヒントとなるものをいただきました。長く引用させていただきます:


「この景気の変動を避けるために、人為的に経済活動を隅々まで統制する体制、すなわち『社会主義計画経済』がいかに合理性に欠け、国民の大多数に、長期にわたって極めて厳しい生活を強要するものであることは、二十年前の『ソビエト連邦崩壊』の実例で十分証明されているのです。」


我が国における「右翼」の根本的特徴は、まさにここなのかも知れませんね。
すなわち、「反共」。


「労働者を守る」とか「労働者の権利を認めよ」などの主張は、全部、共産主義と結びついたものと映るのでしょう。だから今回の「派遣切り」問題に関しても、右翼雑誌各誌が一斉に、猛烈な勢いで労働者側に立つ人間たちを攻撃開始した。
そこには「愛国」も何も、もしかしたら、ないんですね。
ただただ、共産主義がおっかない。


確かに、雨宮処凛さんなどの影響から「蟹工船」ブームが巻き起こり、若者たちが続々と日本共産党へ入党しています。志位委員長などはネットで「C」などと呼ばれて親しまれ、48%を誇る麻生人気(2009年1月30日現在、livedoorニュースによるネット世論調査)と拮抗する支持を得ています。
若者の間では、数年前に我が国へ向け発射されたテポドンのごとく(笑)民主党を通り越し(テポドンは本州を通り越し太平洋へ落ちた)、「麻生自民 vs 日本共産党」の闘いが始まっています。


こういう現実を目の前にすると、「右翼」の皆さまは心中かなり穏やかではないということは、簡単に察せられます。


「右翼」に関する認識が、ちょっとだけ深まった気がいたします。