It's Only チラシの裏 ~but I like it

つれづれなるままに書いてます。一番読まれないタイプのブログです。

Can't you see this old boy has been lonely

みんな政治に何を求めてるんだ?

えー、「政治に冷めてます」とか言いながら政治ネタ書くのは何だか悔しい気もするんですが、書きます。


今、世間は自民党に対して白い目を向けています。今度の総選挙こそ、民主党への政権交代実現、日本が二大政党体制となる時だ、と言われています。


しかし、私はふと思ったんですが、麻生さんて、具体的にどんな悪政を行ったんでしたっけ?
漢字読めない。これは、かなりのもんで、私も同意ですが、それでも自民党が総スカン喰らうほどの失態ではないでしょう。(だいたい有権者だって、麻生さんより漢字読める人どれだけいるんだか疑わしいもんである。)
政策がブレる。これも同意しますけど、でも、これとて今まで53年間も続いて来た自民党体制に終止符を打つ原因となるほどですかぁ?


私がニュースを見ていて感じるところでは、今、我が国の有権者自民党を見限っている最大の理由は、「党内がバラバラ」というところにあるように見えます。そこから、「麻生総理には強いリーダーシップがない」という意見が出て、「『麻生おろし』頑張れ!」、「自民党なんか潰れろ!」て具合に世論が出来上がって来ている印象を受けます。


しかし待ってくださいよ、皆さん!
自由民主党という党は、もともとバランバランなところに魅力を持つ政党じゃあないですか!?


1つの政党でありながら、その内部に数多くの派閥を抱え、自民党内部で、ある種チェック&バランスができたりしていた。
同じ自民党員でも、皆が好き勝手なことを言い、時にはハマコーが椅子バリケードを投げ飛ばしつつ大見得を切り(笑)、そうして動いて来たのが自民党だったはずです。
いわば、自由民主党1党の中で新陳代謝が繰り返されていて、そこに有権者は他党にはない安心感を覚え投票したのだと私は思っています。
だから今の自民党は、本来の姿を取り戻したのですよ。全然おかしなことなんかではない!


自民党をおかしくした犯人は、小泉さんであります。


小泉氏は「郵政造反組」が党内に現れた時、記者会見でこう明言されました:


「私が総裁になったら郵政民営化は必ずやる。そんなことが分かってなかったのかねぇ、あの人たちには……?(笑)」


そして小泉氏は唐突な解散に打って出て、自分に逆らった党員には自由民主党からの公認を与えないという制裁を加えました。さらに、それら「造反候補」を確実に落とすため、「ホリエモン」「佐藤ゆかり」など「刺客」を送りこみさえしました。


自分の邪魔をする輩は容赦なく消す!
これが「小泉流」でした。
自由民主党」の党名が可笑しくも見えるほどまでに「全体主義」でした。


#実際、小泉氏を支えていた竹中平蔵氏も、アカデミズムの場に戻られて以降テレビでコメントを求められる際、「今の政治に欠けているもの」として「マクロの視点」を必ず挙げていらっしゃいます。曰く、「派遣労働に問題があるから対策を打たなければだとか、消費が低迷しているから補助を、などという風にミクロの面ばかり目が行ってるでしょう?」「そうではなく、マクロの視点で行動しなければ駄目です。」これは、一理あることは理屈では分かりますけれども、要約しまするに、「日本国全体(マクロ)のためには犠牲になる国民(ミクロ)が出るのはやむを得ない」って考えですよ。やっぱり竹中氏も、「全体主義」なんですね。


前出、佐藤ゆかり議員が「刺客」として送り込まれた選挙区で「造反候補」として闘った野田聖子議員は、演説中に声を枯らしつつ下のように叫びました:


自由民主党はこんな党ではなかったはずだ!」


同議員の上記発言は、上に書いた自民党全体主義」化に対して発されたものでした。私は心の底から同意しましたよ。
#そして勝ったんだから野田氏はスゴイと思います。(「刺客」の佐藤議員は比例で当選)


本当なら、この「小泉自民」こそ皆で警戒し、潰さねばいけない危険組織だったのでしたが、なんと有権者は熱烈歓迎してしまいました。
小泉氏は街頭演説にて「自民党をぶっ壊す」という名文句を吐きましたが、これには前がありまして、どんな文脈だったかが重要です。
あの名文句は下記のような文脈で使われました:


「もし私に反対する人間が出るようなら、私が自民党をぶっ壊しますから!!」


ここで大観衆から盛大な拍手が湧いたのでしたが、それは「全体主義」「独裁主義」への大拍手に他なりませんでした。




確かに、小泉さんのごとき独裁的な人がトップにいる方が、見ていて頼りになります。なんでも自分の思い通りに進めて行く姿に「強いリーダーシップ」も感じます。だからこそ「小泉フィーバー」は起きたのでしょう。そして今、麻生さんがここまで白眼視されている原因も、上の心理の裏返しと思われます。
しかし、有権者は本当に「独裁」を求めているのでしょうか?


そんなことは決してないと私は思いますが、しかし事実上、我が国の有権者は確かに「独裁」と「全体主義」とを求めました。この歴史は決して消せません。


なんだか、安倍さんの時に年金記録問題が出て国民白眼視の中、辞任され、福田さんも、通り魔など社会不安が強まる中でついに尊敬されぬまま「自分を客観視」してお辞めになり、そして今、麻生さんが史上最悪に軽蔑されておりますが、このお三方は小泉さんより悪いことしたんでしょうか?


素朴な疑問です。