It's Only チラシの裏 ~but I like it

つれづれなるままに書いてます。一番読まれないタイプのブログです。

Can't you see this old boy has been lonely

「正露丸」に見る日本人の気弱さ

ウラジオストクという街があります。ロシアの街ですが、ローマ字表記では"Vladivostok"。この中の"ostok"は「東」の意味です。よく見れば英語の"east"と似ているでしょう。「ウラジ」は「支配する」の意で、従ってウラジオストクとは「東を支配せよ!」という意味の地名なのです。


ひるがえって我が国に「正露丸」という薬があります。これは実に傑作品でありまして、私は今もお世話になったばかりです。
同薬品は日清戦争時、感染症対策薬として使用されたのが始まりで、その後、日露戦争の際、脚気は例えば「脚気菌」のような何らかの微生物による感染症という説を唱えていた森林太郎医師(=森鴎外)らによって、その対策のため日露戦争でも使われました。(正露丸てだから当時は脚気対策の薬だったのね。)そのため、正式名称は「クレオソート丸」であったものが、俗に「征露丸」(露西亜[ロシア]を征する丸薬)と呼ばれるようになりました。
ところがこれが今では「正露丸」と表記を変えています。我が国の国民は、「征露」ではロシアに対してまずかろうと考えたのでありましょう。


いつまでも「ウラジオストク」という地名を使い続けるロシアと、「征露丸」の表記を改める日本、それぞれのお国柄が垣間見える気がします。