It's Only チラシの裏 ~but I like it

つれづれなるままに書いてます。一番読まれないタイプのブログです。

Can't you see this old boy has been lonely

突っ込みどころ満載!(笑)今昔資産形成本を読む

10年ほど前に買って読んだ「自分年金」形成指南本を読み返してみました。
これって当時はよく分からなかったけど、要するにリスクマネーまんせー本なのね。預貯金ではおカネは殖えませんと言って、投資信託とか「るいとう」、外貨への積み立て投資について詳しく解説している。高金利の米ドルを月々買って行けば、ほら!こんなに!!みたいなことが書かれてある。(笑)変額保険なんかも良いでしょうと薦めている。
で、帯には毎月3万円の積み立てだけで4,200万円くらいの自分年金は作れますとあるのですが、この3万はリスク商品へ突っ込んでけって言う話なんですよ。それで可笑しかったのが下のお話:


あるファンドに積み立てて行くと5年間で元本が割れる結果が出る。しかし著者は、「『なんだ、損しているじゃないか』と思わないでください」とおっしゃいます。曰く、確かに資産は減ってしまったが、積み立ての効果でそのマイナス幅は抑えられているというのです。
5年間でのファンドの下落幅はマイナス11.3%。それに対して積み立てて来た人のマイナス幅は0.64%で済んでいる。どうです!儲かっているでしょう!?というわけです。(笑)
ちっとも儲かってない気がするのは気のせいなんでせうか……???


これで本当に老後に4千万作れるの?
ちなみに『積み立てだけで老後は安心!年金は自分で作りなさい』(ダイヤモンド社)です。


それから、最近出た類書でも楽しいのがあります。(ブラックユーモアですが。)
今年の1月末に出た『お金はこうして増やしなさい[改訂版]』(ダイヤモンド社)なのですが、こちらは預貯金を結構薦めてます。ところが、
「どこに預けるかで年1%も違う!
「有利な定期預金はこう探す!」
という項で、薦められてる優良定期預金てーのが  日本振興銀行  のなんですよ!(爆)
そう、あの日本初のペイオフ発動を起こした今をときめく破綻銀行の定期預金なんです。


左ページにある表にはダメダメ銀行の筆頭として三菱東京UFJ銀行インターネット支店が挙げられ、以下ゆうちょ銀行などダメ銀行が列挙されて行きます。そして最後に日本振興銀行の名が輝いております。
三菱UFJの5年もの定期は年利が0.15%。そっから長い線が引っ張ってあって日本振興銀行に矢印が向いています。そこには同行の年利1.3%の数字が。
で、横には吹き出しがあって
「年1%以上も差が!!」
と書かれてあります。
さらに下には博識そうな白髪、白ひげの博士がいて、指を1本立てながら、したり顔でこう言っています:
「同じ預貯金でも銀行によって金利は大きく変わる!!」


あのー……、一言よろしいでしょうか?
その金利に魅せられて大金預けたお客さんたちが、今、全国で泣きわめいてるんですけども……。
一人頭何千万円というカネが瞬時に蒸発し、ペイオフ対象内のお客さんたちも下ろせなくって困ってるんですけども……。
もしかして上の本読んで「そうか!」と悟り、全額預けに行った人もいるんじゃないですか?


いやはや。
10年経っても資産形成本の楽しさは色あせなしですわ。(^^;
「投資は自己責任」の原則に立てば何でも書き放題なわけですが、それにしてもなぁ……。


皆さん、お互い気をつけましょうね?